ビジネス範囲を広げるコンサルティングファームへの転職について

ビジネス範囲を広げるコンサルティングファームへの転職について

斉藤由梨
2022 / 05 / 18

IT/コンサルティング業界への転職は弊社が多く支援させていただいており、非常に採用が活況な領域です。特にコンサルティング業界はビジネスを積極的に拡大し、その結果として採用を多く行っています。

コンサルティングファームは、もともと得意としていたクライアントへの戦略立案支援だけでなく、立案した戦略を実行する段階の支援にもビジネスを広げています。

これはクライアントのニーズでもあり、ビジネスを拡大したいコンサルティングファームのとしてのビジネス戦略でもあるわけですが、例えばSIerにも広告代理店にもアウトソーシング会社としての要素も持ちつつあります。

また、コンサルティングを提供するクライアントも以前はある一定の業界に限定されていましたが、様々な業界に対するコンサルティングを提供するようになっています。

例えば、戦略の実行段階にビジネスを広げていることで、戦略の実行手段であるシステム開発を担う人材が求められています。
システム開発を担うSIerのビジネスに踏み込みつつあることでSEとコンサルタントの境目が曖昧になり、ITコンサルタントをSEから目指しやすくなっています。

また、システム開発を担うエンジニアそのものが求められることも増え、コンサルティングファームにエンジニアとして所属するということも珍しくなくなっています。

また、もともと経営・事業戦略立案を主戦場としてきた一方で、製品・サービスの提供というビジネスの実行段階にあたるマーケティング戦略立案やマーケティング実行支援、広告デザインの領域まで広がっています。
こうした領域においては、広告代理店出身者やデザイナーが活躍する場面も増え、コンサルティング会社に転職を実現するケースも多くあります。

前述の通りコンサルティングファームがビジネス拡大を目指す中で、これまでコンサルティングを提供してこなかった業界へのサービス拡大が起こっています。
これは、変化が激しい昨今、多くの業界においてビジネスの変革が求められており、
変革の支援にコンサルティングファームの力を借りたいと考えるからでもあります。
コンサルティングの対象となる業界も広がり、対象はあらゆる業界と言っても過言ではなく、業界知見、その業界の業務知見を持った事業会社出身者が転職するケースも多々あります。

コンサルティングファームは、クライアントに対して様々な戦略立案や課題解決を提案してきたノウハウがあります。
そうしたノウハウを持っていることで、自社の中に新たな機能を持った組織を生み出し、 そこに今までいなかったバックグラウンドの人材を取り込み、 必要な制度を整えることには非常に長けていると感じます。

コンサルティングファームが他業態に近づいている反面、他業態がコンサルティングファームに逆に近づいている側面もあります。
例えば他業態がコンサルティングまで手掛けるケースも増えています。
他業態では、コンサルティングビジネスを実現するにもビジネスモデルの変革や制度構築、人材活用がうまく進みずらいケースが多々ある一方で、
新たな組織や制度構築をよりスピード感を持って対応し、多様なバックグラウンドの人材をうまく取り込み活用できるのがコンサルティングファームの強さです。
こうしたコンサルティングファームで経験を広げる機会が持てるのは魅力だと思います。

一方で、非コンサルティング会社からコンサルティングファームを目指す人材は戦略立案に携わりたい志向であることが多いと感じます。
コンサルティングファーム側が様々なバックグラウンドの人材に期待するのが戦略立案よりもこれまで培ってきた実務能力の発揮の色合いが強い場合、志向している戦略立案ではない業務に携わることになってしまうこともあり得ます。
戦略立案に携われる機会はある反面で、これまでの実務応力の発揮に留まってしまう場合もあり、 ビジネス拡大を広げるコンサルティングファームに転職を検討する際に注意が必要です。

コンサルティングファームへの転職のメリット・デメリットを踏まえてアドバイスさせていただきますので是非ご相談ください。