スタートアップへの転職で押さえておきたいポイントと最近の傾向

スタートアップへの転職で押さえておきたいポイントと最近の傾向

武藤卓麻
2021 / 12 / 01

弊社のミドル/ハイクラス専門チームにおいては、大手事業会社、コンサルティングファーム、スタートアップなどご在籍のバックグラウンドは様々ですが、スタートアップへのご転職にご興味を示されている方々のご支援も多数させていただいております。
また、スタートアップ企業様からCクラス(CxO)の求人も含め、各成長ステージにおいて重要ポストとなる採用のご相談をいただくケースも増えてまいりました。
今回は、スタートアップ企業様からの声も参考にしながら、「スタートアップへの転職」というテーマで記載をさせていただきます。

スタートアップへの転職に対して、リスクも感じられる方もいらっしゃいますが、ご興味いただくポイントとしては以下のようなところでしょうか。

① 大手/縦割りの組織ではなく、横断的に幅広い経験をしていきたい
② ストックオプション(SO)、ゆくゆくのキャッシュの期待
③ 事業の立ち上げ(0→1、1→10)に携わりたい
④ 経営に近い重要ポストへのチャレンジ、経営陣を目指したい

短期的な視点というよりかは、比較的長期な視点やキャリアアップを見据えてご興味いただくケースが多い印象です。
その他、各社が展開されている「ビジネスへの共感」という観点から、ご興味を示していただける方も多数いらっしゃいます。

一方で、スタートアップへご興味がある中でやはりご不安な部分も感じていらっしゃいます。よく転職者様から質問いただくこととしては、

■年収は下がってしまうのか?どの程度落とさないといけないのか?
■ストックオプション(SO)は付与される会社なのか?
■想定している年齢層は?若い人の採用が多いのでは?

その他、ビジネスの伸びしろは? などです。そこで、最近の傾向や実績も踏まえながら、以下のようなお話をさせていただきます。

■年収は下がりますか?その場合、どの程度落とさないといけないのか?

スタートアップに転職するうえで、まず考慮せねばならないポイントの一つです。年収相場が比較的高いコンサルティング会社や大手企業にご在籍の方については特に減収となってしまう傾向はございます。あくまでも参考値なので一概には言えませんが、各社様の採用ニーズやオファー想定の条件を勘案しますと、非経営層で~800万円前後、Cクラスの採用で1000万円前後~1300万程度という印象です。1500万円と聞くと一段と目が引かれる、という温度感です。しかしながら、年齢条件から年収を考慮するというスタートアップ企業様はほとんどないため、実力次第で若いうちから高年収とポジション(チャンス)を得られる機会は勿論あり、魅力の一つと言えます。

また、高年収を希望するうえでは考慮せねばならない点があります。スタートアップ(例えばシリーズA、B)によっては、事業の伸びしろやマーケット規模は大きいものの、「資金調達を経て事業を運用している(投資フェーズ)」、「まずは足元の黒字転換を目指している」というステータスの企業様も多くいらっしゃいます。

以前、とあるスタートアップのCEOの方とお話をしたときにこんな会話がありました。
「入社いただく方にキャパシティ以上の給与を支払う=事業継続を短命にしてしまうリスクもあるんですよね…(勿論、好待遇でお迎えしたいのですが…)」
当たり前の事ではありますが、『年間1000万単位給与の支払=会社としては支出』となりますから、支出以上のパフォーマンスが期待できるか、責務を負っていただけるか、という双方の覚悟も重要になってきます。
どのような経験や自身の強みが、転職先のスタートアップに貢献できるのか、このような見方からの見極めが転職先の選択に重要なポイントでもあります。

■ストックオプション(SO)は付与される会社なのか?

前述のとおり、スタートアップへの転職において魅力となる一つがストックオプション(SO)です。全てのスタートアップがSO付与を前提にオファーを出されるわけではないですが、SO付与を見据えて選考いただける企業様も一定数いらっしゃいます。また、「特定の役職以上のオファーの場合に限る」、「発行可能なSOの●%まで」等、各社によってSOの制度が異なってきます。この辺りはエージェントを介して個社別に確認いただけると宜しいかと思います。

■想定している年齢層は?若い人がいいのでは?

・若い20代、30代前半の方を中心に活気があって仕事をしてそう。
・だからそういう年代の方が採用されるのではないか。

スタートアップと聞いて、このようなイメージを持たれていらっしゃる転職者様は少なくないです。このあたりもスタートアップ企業様によってニーズの違いはありますが、40代、50代の方も歓迎して採用されていらっしゃるスタートアップも複数あります。以前は組織バランスも考慮されながら、同世代の方々を採用されている印象は受けておりましたが、特に最近はご年次は気にせず、ご経験や期待できるパフォーマンスを重視して採用されている企業様が多い印象です。勿論、スタートアップの戦友としてのバイタリティ、スピード感、そして圧倒的な当事者意識は肝心です。

また、最近私が感じることとしては、アーリーステージから海外展開を見据えたスタートアップ企業様が多い、という事です。海外展開を前提とした採用ニーズでもあるため、企業様からも高い要求のオーダーをいただく傾向も増えてまいりました。例えばCFOポジションの採用であれば、ビジネス英語は勿論のこと、海外投資家からの資金調達、交渉、折衝などもミッションとなり、投資銀行にご在籍の方がスケールの大きい仕事や役割にチャレンジできるフィールドも出てきているような様子も受けます。

いかがでしたでしょうか。
弊社でも大手企業は勿論の事、スタートアップ企業様の求人も取り扱っております。チャレンジを検討されている方、少しでもご興味がある方、まずは最近の傾向の情報交換からも歓迎ですので、是非お気軽にtype転職エージェントまでご相談いただければと思います。具体的な求人のご提案も可能です。