ミスマッチを防ぐ”関係部署”との面談について

ミスマッチを防ぐ”関係部署”との面談について

伊藤直也
2021 / 04 / 28

以前に「改革や部署立ち上げといった特命ミッション求人においての注意点」という記事でも少し言及させていただいた内容なのですが、マネージャーや責任者クラスの求人を進めていただくうえで、最近推奨していることを記載したいと思います。

弊社では引き続き、新規事業立ち上げや業務改革、AIなどの先端テクノロジー活用、セールスマーケティング体制の見直しといった課題解決にまつわる求人を幾つか頂いております。

こうした求人のご紹介やご成約は、求人企業様へ貢献できるインパクトが大きく、個人のお客様に対してもキャリア形成の契機となり得るマッチングではありますが、事前の課題認識や期待値に齟齬が出てしまうと、ネガティブなインパクトも少なくないため、スキル・経験のマッチ度合いや仕事の進め方、時間軸などのすり合わせが重要となってくるのは言うまでもありません。

そこで、前回記載したような、当該部署が抱える課題の背景や承認プロセスなどの確認は注意して行っているのですが、ここ最近においては「密接に関わる関連部署の期待値」をなるべく、具体的にすることが大事であると感じています。

営業やマーケティング、プロダクト開発など、どのような機能の部署においても共通するのではと思っているのですが、「“募集部署の方々”が認識している課題ややりたいこと」だけに目を向けるのではなく、「“関連する周辺部署の方々”がどのようにその部署の課題や取り組みを見ているのか?」も認識できると、転職を判断する前の段階で、よりリアリティを持って検討・判断がしやすいということです。

これだけ見ると当たり前のように感じるのですが、面接で他部署の方に話を聞く機会は意外に多くないのではないでしょうか。一方で、入社した後に、自部署が目指している取り組みが、他の部署ではそこまで望まれて(or期待されて)おらず、なかなか物事が進まない…というジレンマを感じてしまい、モヤモヤしている中でご相談にお越しいただく方は一定数見られます。

特にここ最近はDXが盛り上がっているなかで、AI活用のPoCやインサイドセールス/カスタマーサクセスの立ち上げのミッションを担う募集を頂くことも少なくないのですが、AI活用で言えば、「AIやブロックチェーンなどの技術を基点にゼロベースで業務プロセスを創っていくプロジェクトを展開したい」という方向性を掲げたとしても、PoCを受け入れる事業サイドは既存の業務にAIを適用してもらうことを期待している…といった形で「期待値にギャップがあるような状況」は珍しくありません。

また、The Modelが普及するなかで、どの企業様でもマーケティング→インサイドセールス(IS)→フィールドセールス(FS)→カスタマーサクセス(CS)という形で分業化を進めているものの、マーケティング部署でやりたいことが、IS/FS側のニーズを正しく反映されているとは限らず、「マーケティングで入社して数か月後に大きく方針転換をすることになった…」というケースもしばしば見られます。

もちろん、ビジネス環境の変化が激しい中で、「数か月前に言っていたときと状況が大きく変わっていた」というのは決して珍しい、あるいは悪いことではありません。また、必ずしも他部署のニーズを自部署に反映させることが正しいとは限らないということも言えるかと思います。

しかしながら、即戦力が求められる中途入社において「事前の期待」がどの程度なのかを把握することは、スタートダッシュとは言わずとも、入社後しばらくして着実に貢献を果たす上ではものすごく大事ではあります。特に最近は入社時点でリモート勤務ということで、社内の情報把握がなかなかスムーズに行かないことも加味すると、入社前の時点で、特に連携の深い他部署の方と接点を持ち、相性や考えを把握しておくことは有効ではないかと感じています。

こうした動きにも限りはあるのですが、面接や面談を通じてできる限りのアレンジに努めさせていただければと思いますし、求人企業様も快く応じていただけるところが多数ですので、こうした内容にご関心をお持ちいただける際は、ぜひお気軽にお申し付けいただければと存じます。