広報求人にまつわる直近のトピックス

広報求人にまつわる直近のトピックス

小山輝晃
2021 / 08 / 31

最近、企業様から広報に関する求人のご依頼をいただくケースが増えており、広報職種でご活躍されている候補者様とのご面談の機会も増えておりましたため、今回はそこから見えてきた広報求人市場におけるトレンドについて整理したいと思います。

大前提として一口に『広報』といってもその役割は多岐に渡ります。

・自社コーポレート、商品、サービスの情報発信
・インナーブランディング(社内広報)
・ブランディングの発信
・メディアリレーションの構築

すべての職種にも言えることですが、広報関連の求人を見るうえでまず見るべきは、ご自身が担ってきた役割は広報業務の中で「どのようなミッションに対してどのような手段を用いてこられたのか」という点です。

顧客や取引先・メディア関係者等、どのようなステークホルダーと関わったのか、手段としても、自社ブログやSNSの更新・取材対応・原稿チェック・メルマガの配信、イベント企画などのように仕事として画一的な業務内容とはならず、その企業に沿った目的に応じてとるべき手段は様々であり、同じ広報と呼ばれる求人でもその中身は意味合い大きく異なるケースが多いということを大前提意識することが重要です。

また、企業様が広報求人を募集される際の採用背景も、最近では特徴的な動きが目立ってきております。

これまでは、企業様の中でより良い商品・サービスを作ることを至上とする考え方が強い印象がございました。その背景から広報業務の人員補充は、中途採用ではなくジョブローテーションによる内部異動によるアサインが多くなる傾向が強く、広報求人は比較的分母の少ない求人群とされています。また、採用したい広報人材のニーズとしては、商材の優劣が拮抗しており、競合差別化が難しいとされる業界が他社よりも話題性による顧客基盤形成を図るために広報の専門家を採用したいという文脈で募集されるケースが多い状況でした。

しかし近年では、商品力だけでは必ずしもビジネスの勝利者となりえないケースが増えているほか、顧客ニーズの多様化から顧客接点の見直しが求められるなかで、ファンコミュニティの醸成やインフルエンサー活用による顧客体験の新たな訴求を求められるケースが増えてきました。

また、近年叫ばれているDX推進の課題感から、特に非IT系の商材・サービスを展開されている企業様の中では、DX推進による新たなビジネス展開への訴求といった一種のリブランディングを図りたい企業様も増えており、商業的な対外発信はもちろん、DX推進に必要なIT人材を獲得するための採用広報を強化する動きを見せる企業様も増えておられます。

このように、これまでは人員計画として内部異動など自社の大枠を理解しているゼネラリストへ広報を任せるという風潮であったところから、上記のような課題の複雑化を背景に、より広報のスペシャリストを採用したいという意味合いから求人募集をスタートされている企業様が増えているかと存じます。

私もよく企業様から『広報組織の内製化を図りたい』という旨のお話を伺うことが増えてきております。個人的な印象値ではありますが、現段階でこのように広報領域に力を入れていらっしゃる企業様は経営戦略が前衛的で優良な企業様が多い印象があり、お勧めの企業様が多いです。

企業様毎に課題感は様々で求人特徴も”十求人十色”な状況でございますので、ご自身がこれまで主に担っていた業務・これからやっていきたいキャリアビジョンと照らし合わせて求人票を確認されるといいかもしれません。

転職エージェントとしてはこのような求人サーチは得意でありますので、お困りであればぜひ頼っていただけますと幸いです。