人事・組織領域にまつわる課題の変化と、それに伴う求人市場の影響について
最近、人事コンサルタントの方とお会いする機会を多く頂いておりましたが、ご支援する上で企業様が求める人物像に変化を見られていますので、こちらで述べさせていただきます。
まず初めに、日本での人事コンサルティングは、外資系の大手人事コンサルティング・ファームが外資系企業の日本法人向けに人事制度設計・就業規則立案のために登場したのが始まりと言われております。
日本企業においては、【成果主義の人事制度改革】が話題になるようになった頃から人事コンサルタントの活躍の幅が広がっていきました。日本企業特有の脱・終身雇用、脱・年功序列を図る際にニーズが爆発的に広がることで企業における組織戦略・組織運営に対する人事領域のコンサルタントの活躍の場も多数見られてきました。
しかし、近年の求人傾向を見ていると、組織課題の解決に対し、従来活躍されていた人事領域の専門性に加え、新規事業創出、オープンイノベーション、DX等のキーワードを含めた、「事業マネジメントの知見」を求める企業様が増えてきた印象があります。
このような背景としては、グローバル環境での競合激化や、異業種の新規参入プレイヤーとの闘い、デジタル化への対応を背景とする事業改革に応じた組織の在り方が切っても切れなくなったことを受け、事業戦略や事業開発の観点での組織編成・人材開発が求められるようになっていることが影響していると思われます。
また、これに近しいケースとして日本でも「HRビジネスパートナー(以下、HRBP)」を設けるケースや、外部から採用しようとする動きが増えている傾向にあります。
HRBPは「戦略人事」の役割を帯びることから、従来のオペレーションに強みを持つ人事と比較した際に事業部長と同レベルで経営課題やPLを理解すること、そして、事業課題の解決や売上/利益貢献を念頭において組織・人事戦略や実行を図っていくことなどが求められます。
そのため、人事管理の知見も求められるのですが、従来型の人事知見+人事部のラインマネジメント、というよりも、経営層と対話・議論する、あるいは事業運営の立場で組織作りに向き合った経験者がマッチするという見方も、徐々にですが見られるようになっています。
これから組織戦略における領域でキャリアを築いていかれたい方は、上記のような部分が市場価値に大きく影響する可能性がありますので、今後のご参考にしていただければと思います。