事業開発/新規事業ポジションへの転職・求人選びについて

事業開発/新規事業ポジションへの転職・求人選びについて

坂本拓生
2021 / 6 / 21

直近、事業開発/新規事業経験の転職者様とご面談をする機会が多く、その中で感じたことを本日は記載させていただきます。

結論から申しあげますと、事業開発/新規事業職のマッチングは比較的難易度が高いと感じております。
なぜなら、事業開発/新規事業系のポジションにおける求人票の採用要件は、以下のように漠然とした表記がされている場合が多く、求人票上は合致しているように見えても、実際は企業の求めているスキルとずれているということが起こりやすいためです。

【求めるスキルの例】
◆0→1で事業を作った経験のある方
◆論理的思考力 (仮説立案、構造化、問題解決)に長けた方
◆新規事業立ち上げ、事業責任者の経験をお持ちの方

 

しかし、企業が求めている要件は会社・事業のフェーズによってより細かく設定されているケースが多く、求人の選定方法について私なりに意識していることをお伝えしてまいります。

【求人側から見た事業開発/新規事業の大まかな傾向】

大きく分けると、<ビジョン>と<戦略>の観点から以下3パターンに分類することができます。

① ビジョンは明確だが、実現までの戦略は自由である。
② ビジョンは明確で、戦略も一定決められているものの、立ち上げ~運用するまでの手法は自由
③ ビジョンも戦略も(何もかも)自由で、完全に0からのスタート ※求人としては稀

【求職者側のスキルからみた求人の選定方法】

上記のどの環境でご経験を積んでこられたかによって、その方の事業開発における強みやマッチする機会は変わってまいります。
①・②のように、すでにビジョン・戦略ともにある程度決まっているポジションの場合
は、論理性や数字の強さといった「ステークホルダーへの説明や合意形成」のスキルに長けた方が多い傾向が見られます。一方で、関係各所への説明や調整業務が多くなってしまう場合もあるため、よりアイディア力・実行力を磨いていくために③の環境に転職したい、という希望を持たれている方も一定数いらっしゃる印象です。

逆に、③の経験を積まれてこられた方は、「結果を出すためにとにかく試行錯誤できる」という自力・泥臭さに強みがある方が多い傾向です。一方で、我流で実績を積まれてきたケースが多いため、より戦略性や再現性のある方法論を学びたいという思いから、①・②のポジションやコンサルティングファームへの転職を希望される方もいらっしゃいます。

上記から、新規事業の経験があるという候補者様でも、求人の選定を誤るとスキルを活かせない可能性もあり、『新規事業の中でどのような役割が得意なのか?』を事前に正しく分析する必要がございます。

また、その会社の業界や成長スピード、扱う商材によっても事業開発の進め方が異なるため、そのあたりも含めて事前にしっかりとすり合わせを行う必要がございます。

事業開発/新規事業を担われている方は、総じて社内で評価をされている優秀な方が多いため、企業側も採用をしたいという思いから、ついミスマッチな入社になってしまうケースも往々にして起こり得えます。

入社後にミスマッチにならないよう、具体的な案件の進め方や任せられる職務をしっかりとすり合わせいただいた上で判断されることをお勧めいたします。