意外と詳しく知られていない「リスク(マネジメント)コンサルタント」の仕事と魅力について
以前、私のブログ第一弾として、「貴方が選択するキャリアはコンサルティングファーム?それとも監査法人?」というテーマを上げさせていただきました。
type転職エージェントでは様々なコンサルティング業界のポジションに対して、求人/転職サポートを実施させていただいておりますが、今回は「リスクコンサルタント」のお仕事についてスポットを当ててみたいと思います。
未経験からコンサルティングファームにチャレンジされる方、コンサルティングファームからのご転職をお考えの方、双方いらっしゃいますが、意外と知らない(敬遠されがちな)のがリスクコンサルのポジションです。
一方、ご面談などでリスクコンサルのポジションについてご説明させていただくと、意外とポジティブなリアクション、好印象を抱いていただけるケースもあります。企業側としても「リスク」をテーマとしたプロジェクトの引き合いも多く、大手コンサルティングファーム、監査法人や事業会社(内部統制、コンプライアンス)などで強い採用ニーズが顕在化してきています。
当初、転職先として想定しておらずとも、面接を通じてご意向が高まる中で、高い満足度を持ってご活躍いただいているケースも少なくありませんので、何かの機会にぜひご参考ください。
リスク(マネジメント)コンサルとは
主には企業経営、事業推進を進めるうえで、内部に潜むリスクの洗い出し、リスク回避の支援を実行するのがお仕事です。リスクマネジメントにおけるテーマとしては、以下のようなものが代表的な事例です。
■不正リスク対策
昨今、データ改ざん、個人情報の流出、不正会計、その他不祥事などの報道が数多く取り上げられるようになりました。
<例>
・ベネッセの個人情報流出
・東芝の不正会計
・スルガ銀行の不適切融資 など
こういった事故、事件については、発生してしまうと企業としての信用力の低下、ひいては企業の経営存続に大きな脅威となってしまいます。このようなリスクに対して企業も内部統制/コンプライアンス部門を設け、法律、規則などに準じた対策を行っていますが、不正、事故、事件はゼロにはなりません。リスクマネジメントコンサルタントは、このようなリスクに対しての管理体制の構築、コンプライアンス対応、その他あらゆるリスクの洗い出しの支援を行っています。
■BCP(事業継続計画)
企業が自然災害、震災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
突然発生する緊急事態に対して、有効な手を打つことがきでなければ、経営基盤によっては、企業経営存続に大きな影響を与えることになります。事故や災害に巻き込まれないようにすることだけを考えるのではなく、事故や災害が発生し、不幸にも自社の重要な経営資源(人員、施設、データ、業務委託先、システムなど)に大きな影響が出てしまった時に、どうするかを考え、そのための手を打っておくなど、改善整備を進めるためのコンサルティングプロジェクトが多くなっています。また、企業におけるデータ活用も進んでいるため、情報資産と絡めたシステム関連するBCPプロジェクトもテーマとして増えています。
その他、「金融リスク管理」、「ERM高度化」、「物理セキュリティ」、「サプライチェーン・リスクマネジメント」なども、リスクマネジメントコンサルティングのテーマとなります。
昨今の事業の多角化・グローバル化、デジタル活用(デジタルトランスフォーメーション)の広がりにより、「新規事業の立ち上げ」、「海外拠点の立ち上げ」等の企業経営の「攻め」を実施するうえでのリスクコンサルティングも行います。
世の中としても全く新しい市場で事業を展開する中では、法規制、ルールが未整備な場合もしばしばあります。現行の規制と照らし合わせながらも、新しい事業を展開するうえでのリスクについても考えなくてはなりません。
例えば、昨今の「仮想通貨事業」や「キャッシュレス決済サービス」。仮想通貨(コインチェック)の流出やキャッシュレス決済サービスの不正アクセス/ハッキング問題(7Pay)も、最近の報道で取り沙汰されています。
新しい事業を推し進める「攻め」の側面がある一方で、表裏一体で「リスク(守り)」も付きものになります。決して、「攻め」の足枷になるわけではなく、安心安全にサービスを利用いただくユーザーに向けた信用力の獲得に、ルール作り・システム作りに向けて、非常に重要なコンサルティングのお仕事となります。
●リスクコンサルティングの魅力
前述のとおり、「リスク」という観点でコンサルティングを行うには、専門性を身につけていくことが必要となります。会計、ITやセキュリティ、BCP、金融リスク、ERMなどリスク分野における専門性を習得することが可能です。
そして、この専門性は10年後、20年後、、、、にも潰しが効くものとなります。何故ならば、リスクコンサル全体にいえることでありますが、法律や規制に対してのアドバイスとなるため、それを企業が破ってしまうと最悪営業停止とか破綻に陥る可能性があり、不景気になろうがなくならないプロジェクトと言われています。
だからこそ案件はなくなる可能性は低く、経営の根幹となる部分にアドバイスをする事で、継続的に中長期的なキャリアとして築いていくことが出来ます。
また、カウンターパートが経営層である点も魅力の一つです。上記のとおり、扱うリスクが経営存続に寄与していくことになるため、Cレベルがカウンターパートとなるプロジェクトが多くなります。経営的な視点で視座を高く持ちながらコンサルティングを行っていくため、ITコンサルティングとは違ったアプローチをしていくことが可能です。
更には、リスクアプローチではありながら、クライアントの「攻め」である新規事業や新規市場に携わることが出来る点もあります。Fintech、MaaSや●●Techなど、テクノロジーの融合により未だ市場に出ていない事業に参画できる良さもあります。
前述のとおり、大手コンサルティングファーム、監査法人をはじめとしてリスクコンサルティングのプロジェクトが多くあり、比例して採用ニーズが強いお仕事になります。リスクコンサルティング経験者の方であれば、勿論即戦力ではありますが、リスク領域以外のコンサルティング経験の方、Sier、事業会社からの採用も積極的に行われている企業様が多い印象です。直近のご転職者様の実例としましても、大手SIerのPM(マネージャー採用)、セキュリティ、インフラエンジニア、事業会社の企画部門出身者の方も採用事例として増えてきています。
今後、キャリアの一つの選択肢として、リスクコンサルのお仕事も検討されてみてはいかがでしょうか。何かにご参考いただけますと幸いです!