転職市場におけるオファー年収の決まり方とは?
最近、私が面談をする中で年収を大幅にアップしたいという要望をいただくことが多くなってきたので、本日は『転職時のオファー年収』について書いていきたいと思います。
近年、日本国内では少子高齢化なども相まって、優秀な人材を獲得する難易度は非常に上がってきています。特に、ここ2、3年は年収を上げることを目的として転職をされる方も増えてきております。とはいえ、転職をすれば、年収が上がるわけではなく、実際に上がるのは一握りであり、横這いやダウンすることが多いのが現状です。
では、どのような転職を目指せば年収は上がりやすいのでしょうか?
年収決定にはいくつか要素がありますが、『現在のキャリア、スキル、年収』『転職先の企業や業界』『今後積みたいキャリア』とのバランスで決定することが多いです。
現職でどれだけ実績を出していたとしても、異業種・職種の人材を採用する場合、採用側も絶対に活躍してくれるという確信を持てず、高額な年収を払ってまで採用に踏み切ることはできないため、受け入れに慎重になります。そのため、異業種・異職種等への転職は年収が下がる傾向があるというのが現実です。
ITエンジニアのように専門性が高い職種は環境が変化しても一定のパフォーマンスが発揮しやすく、市場での希少価値も高いため、年収が上がっての転職が実現しやすい職種もあります。
一方、営業職等は商材や業界が異なった場合、覚えることも多く、営業手法も異なるため、入社直後から力を発揮してくれるかは採用企業側も分からず、これまで高いパフォーマンスを発揮していたとしても年収が下がるケースも多いです。
とはいえ、キャリアや安定感などを考えた際、将来性のある業界や働きやすい大手企業への転職を望まれる方も多くいらっしゃいます。短期的に全てを実現することは難しいケースが多いですが、中長期的に年収を上げること自体はどんな職種でも叶うと思っております。
例えば、『大手製造業→製造業向けのSaaSベンチャー企業』に転職をされた方で入社時の年収は50万円程下がったものの、およそ1年で前職の製造業では数年後に到達する年収まで上がった方などもいらっしゃいます。
このように、中長期的に年収を上げることを考えると、『斜陽産業→成長産業』、『中小→大手や急成長中のベンチャー企業』という転職をすることで、一度しゃがんでしまった年収が中長期的に上がるケースは多くあります。このような転職は自身の市場価値やスキル向上に繋がるなど、いい方向に繋がることが多くあります。
転職先を選ぶ際には、オファー年収も重要ではありますが『目指すキャリア』『業界の将来性』『将来的な市場価値の向上』など、様々なことを考慮して選んでいただくと、納得感のある転職になるのではないでしょうか。