「未経験職種へのキャリアチェンジ」について

「未経験職種へのキャリアチェンジ」について

佐竹和浩
2022 / 06 / 30

新卒の3人に1人が転職を検討、30代や40代の方向けのハイレイヤー層の採用など転職市場が活発化している中、未経験職種へのキャリアチェンジを目指される方も増えてきております。そのため今回は「未経験職種へのキャリアチェンジ」についてお話ができればと思います。

◆30歳代以上の「未経験職種へのキャリアチェンジ」はリスクも潜んでいる?

現在の転職市場ではご年齢が上がれば上がるほど、未経験職種へのキャリアチェンジはハードルが上がっていく傾向です。というのも、基本的に企業が転職者に求めるのは「即戦力」として自社へ貢献をして欲しいと考えているためです。

20代であれば、今後の成長に期待し、未経験職種への採用も検討頂けることが多いのですが、30代以上の転職者に対する傾向としては、自社にはないノウハウや知見、スキルを活かしてできるだけ自社に貢献をすること、管理職や管理職候補者として、中長期的に自社の中核的な人材になっていくことが期待されています。

このように転職は20代の頃のようなポテンシャルではなく、実務経験や実績によって評価されるため、経験値や専門性でアピールできない未経験職種への転職は、難易度が上がることが多いのです。

さらに今まで順調に昇給や昇格をされてきた方にとっては、キャリアの再出発となるため、ご年収ダウンやキャリアアップに遅れが発生してしまうリスクがあります。そのため現職よりも給与水準の高い業界へ転職をしない限り、前職で貰えていただろう生涯賃金はマイナスとなってしまう可能性があります。またご入社後に予想以上に高度な技術や能力が求められ、活躍できない等と思っていた仕事と違ったと早期退職のリスクも発生します。

◆「未経験職種へのキャリアチェンジ」を実現するためには?

先ほどもお伝えをさせて頂きましたが、ご年齢が上がれば上がるほど「未経験職種へのキャリアチェンジ」は難易度とリスクが上がっていきます。そのため30代以上の方が「未経験職種へのキャリアチェンジ」を実現するには徹底した自己研究、企業研究が必要となります。

その仕事に対するイメージと相違はないか、どんなスキルや経験が求められるのか、取得しておくことで有利になる資格はあるのか、その業界へ転職するメリットやデメリットを含めてしっかりと調べることが必要です。最近ではキャリアチェンジ希望者を対象としたセミナーや、異業種勉強会・交流会といった場も用意されているので、活用することも方法の一つです。

また、キャリアチェンジの面接では、どうしてこの職種を選んだのか、将来をどのようにしていくつもりかと必ずと言っていいほど質問されます、●●に興味持った、新しい仕事に挑戦してみたいといった漠然とした内容はNGとなります。収集した情報を分析し、未経験でも採用したいと思ってもらえるような理由や、本気でキャリアチェンジをしたいという熱意が伝わることが大切です。

今までの経験をフルに生かすのか、新しいことにチャレンジするのか。
冒頭にも記載しましたが、転職市場は活性化していますので、ご自身のキャリアを考える際のお手伝いができれば幸いです。