企業がUXデザイナーに求めることと求人の選び方
最近、様々な多くのクライアント様からUXというキーワードでの職種でのご依頼を頂くことが増えています。職種はデザイナーやリサーチャー、UX視点での新規事業創出など、様々な依頼をいただきますが、近年注目を浴び始めたということもあって、求めている人材は企業側も定まっていないとお見受けすることもあります。本日は、その中でも特に依頼をいただくことが多いUXデザイナーに着目して、『企業がUXデザイナーに何を求めているのか?』ということを述べていきたいと思います。
まず、前提として、UIデザイナーという似た職種があり、UX・UIデザイナーというように一括りにされる求人も多くあります。しかしながら、似た言葉ではあるものの、任せる業務やミッションは大きく異なるため、求人を選定いただく際には注意して確認いただいた方が良いポイントとなります。
■UX(ユーザーエクスペリエンス)
プロダクトやサービスを通じて得られるユーザーの体験を指すことが多く、ユーザーとのタッチポイント全てに関わりながら新たな顧客体験を設計・デザインをミッションとする
■UI(ユーザーインターフェース)
サービスの扱いやすさやデザインなどの見た目を指すことが多く、プロダクト、サービス上のボタンの位置や導線など見た目に関わる設計・デザインをミッションとする
これだけだとイメージしづらいですが、例えば、新聞におけるUIは「紙面」という接点であり、UXは「毎日最新の情報が届く」「Web上でも手軽に読める」等の便利な体験です。
紙面は体験を向上させる手段の一つではあり、UXはUIを含めた手段を通しての体験自体、さらにはそこから起きる感情まで生み出すことをミッションとしています。イメージとしてはUXの中にUIが内包されていて、UXが優れたサービスやプロダクトは、優れたUIであるということです。
では、実際に企業はUXデザイナーを採用してどのようなことを任せたいと考えるのでしょうか?
デザイナーという言葉から、IllustratorやPhotoshop等のソフトを使って、手を動かしてデザインすることをイメージされる方が多く、実際に面談時に『デザインをしたことなくても応募できるのでしょうか?』とご質問をもらったこともあります。しかしながら、このデザイナーとは、見た目や雰囲気だけではなく、製品やサービスそのものを設計(デザイン)するという意味で使われることが多いのが実態です。
設計とは、利用体験を企画段階から戦略的に設計することで、“デザイナー”のキーワードが入っているが、実際にはユーザー調査から仮設立案、プロトタイプ作成、実験、検証、改善など多岐にわたります。社内でも関わる部署は多く、経営陣やエンジニア、マーケターと様々な部署と連携をしながらプロダクトやサービス自体の体験設計・デザインをするため、チームワークやコミュニケーション能力も求められます。
求める経験も、デザイン的観点、エンジニア的観点、ビジネス的観点など、関わるプロダクト・サービスの中身やフェーズによって異なることが多く、自身の強みとマッチした求人かどうかは応募時に注意いただいた方が良い点かと思います。この点は、採用背景などを把握しているエージェントにご相談いただくのがベストです。
最後に一番伝えたい事なのですが、UXデザイナーに限らず、UXという考え方自体の市場ニーズが高まる傾向にあります。企業に今後求められることは、製品販売から体験提供にその主体が移行しており、その際にUXは欠かせないからです。日本でも最近増えてきましたが、海外ではCXO(チーフエクスペリエンスオフィサー)という役職は一般的になりつつあります。この領域でキャリアを積んでいきたいとお考えの方は、ぜひtype転職エージェントにご相談ください。