40代・50代の転職活動における注意点について

40代・50代の転職活動における注意点について

相川伸行
2022 / 04 / 22

「中高年の転職が活発になっている」という記事を目にする機会が増えてきております。新型コロナウイルス禍をへて企業が新たな成長事業の立ち上げを急ぐなかで、40代50代といった経験が豊富な人材への需要が高まっていることが背景にあがっております。

採用現場にいる立場から見ても同じ印象を持っており、企業側も年齢を区切って採用する意識が薄れていると感じます。特にIT、データ領域に関する人材は年齢に関係なく旺盛なニーズがあります。

実際に私が転職活動をサポートした方の事例をお伝えさせていただきます。
その方は50代前半、大手企業に勤めており数年後には役職退職を迎えることから、できれば60歳、70歳になっても一線で働ける会社を探したいというご希望をお持ちでした。

ただすぐに転職することは考えていないので、まずは自分自身にどのような可能性があるか知りたいという相談でした。

キャリアカウンセリングを通じいくつか案件をご紹介する中で興味を持たれた案件があり、選考に進んでいただいた結果、3度のカジュアル面談、最終面接1回、現場と経営層と十分なすり合わせを行い、最終的に年収アップを実現させ転職することを決定されました。

ただし、上記のようなケースはまだ多くはありません。中高年の転職市場が活発化している事実がある一方で注意しなければならないのが、40代・50代の転職は若手の転職と比較し、リスクも難易度も高い傾向があるという点です。

40代、50代の転職は増えているものの、まだ手軽なものではありません。ご家族がいらっしゃる場合、ご家族と相談して決断を行う必要がありますし、仮に転職して短期離職となった場合のリスクは20~30代と比較して高いといえます。経験が活かせるか、入社して結果を出せるのか、入社して働く人たちとの相性はどうか、この点を慎重に見極める必要があります。短期間の選考だけでは不透明な点も多いといえます。

企業側も40代・50代の方は慎重に見極めようとするため、複数回に渡って面接を行う企業が多いです。また転職をする、しないに限らず、カジュアル面談で企業と接点を持つことも可能になってきています。

上記状況を踏まえて40代・50代の方は、年齢なりの転職方法を考えて、積極的に企業側へアプローチしていく姿勢が必要になっています。

Age is just a number.