土橋様 : 採用試験を経て入社された優秀な方たちなので、スキルや能力では問題ありませんが、マインドの面で苦労されることはあるようです。
事業会社とコンサルティングファームの大きな違いは、スピード感です。事業会社ではルーティン化された業務が多く、ある程度決められたプロセスに沿ってじっくり進められますが、コンサルタントはその時々でクライアントの抱える課題と向き合い、ソリューションを提供して、相手のビジネスや事業を成功に導くのが仕事。わからないことがあっても立ち止まっている暇はなく、自分なりに仮説を立て、必要な情報やリソースを取りに行き、スピード感を持って課題解決に近づくことが求められます。事業会社出身者が、その違いに戸惑っている姿は目にしますね。
佐々木様 : コンサルタントは、基本的に自由裁量な仕事です。会社やお客様からタスクは振られますが、仕事の進め方も一日の時間をどう使うかも自分次第。常に無数の選択肢が目の前にあるので、決まった仕事を誰かに言われた通りの手順で流していく働き方をしてきた人は、「何でも自由に選べる」という環境に適応するまで時間がかかるかもしれません。逆に、事業会社で何事もかっちり決められていることを窮屈に感じていて、「もっと自由にやりたい」と思っている人なら、コンサルティング会社に入ってもすぐに馴染めるのではないでしょうか。
佐々木様 : 地頭の良さ、前職で身につけた専門性、コミュニケーションスキル。これが面接で見る基本的な3つのポイントです。
それに加えて、弊社の価値観やカルチャーに合うかも確認します。
他のファームに比べても、PwCはやはり自由でオープンなカルチャーだと思います。他社の多くは組織が縦割りで、部門やチームごとに人もリソースも固定されています。しかし弊社は組織の垣根がほとんどなく、グループ内の監査法人や税理士法人、アドバイザリーなどと連携するプロジェクトも多い。コンサルティングについても、例えば「経営戦略の変革に伴い、人についても改革を進めたい」といったお客様の要望を受けて、戦略チームと我々のいるP&Oチーム(人事・組織部門)が合同でプロジェクトを立ち上げるといったケースが増えています。
ですから採用面接では、知的好奇心が旺盛で、他の専門家たちと恊働したいという高いモチベーションがあるかどうかを見ますね。P&Oチームも、最近では「人事・組織コンサルタント」というより、「人に関わるあらゆる変革」が専門領域になっているので、「人事制度構築しか興味がありません」という人では、弊社のカルチャーにマッチしにくいと思いますから。
土橋様 : 私は他のファームでも働いた経験がありますが、やはり組織風土の違いは大きいと感じます。先ほど話に出たように、PwCは組織の垣根が低いので、他部門とのナレッジの共有もしやすい。私は同時期に中途入社したメンバーたちとメーリングリストを作っていますが、様々な部門に所属するメンバーが100人以上参加しているので、そこに質問や相談を投げかけると、「その件ならこの資料にあたるといい」「詳しい人がいるから紹介するよ」といったメールがその日のうちに10通以上返ってくる。これほどフランクなコミュニケーションができるコンサルティング・ファームはあまりないと思います。
佐々木様 : 他のファームでは、グローバルのトップダウンが強力でローカルは自由に動けないとか、グローバルでナレッジはシェアされても、現場でのやり方は結局グローバルの指示に従わなくてはいけないということがよくあります。でも、PwCではそうやって縛られることはない。この自由さが大きな魅力であるからこそ、弊社のコンサルタントとして活躍するには、やはり自分が今やるべきことを多数の選択肢から選び取っていく力が必要です。
佐々木様 : 入社した方には、コーチとなる社員がついてサポートします。また、P&Oチームでは「バディ制度」があり、社内的な手続きやリソースの在処などを相談できる相手もつけます。研修については、まずコアスキルを習得するための全社共通のプログラムがあり、講義形式からeラーニングまでひと通り体系化されています。さらにP&Oチームでは、ナレッジやスキルを共有できる「シェアリングセッション」も定期的に行っています。
土橋様 : 若手スタッフの間では自主的な勉強会も活発に開かれていて、キャリアのある先輩コンサルタントをスピーカーに招いたり、自分たちが経験した事例を共有したりしています。特にコンサル経験が浅いうちは、誰もが同じところでつまずきがちなので、「自分はこうやって乗り越えた」というノウハウのシェアが非常に役立っているようです。
佐々木様 : もちろん、海外研修の機会もあります。PwC全体では、「アドバイザリー ユニバーシティ」と呼ばれる海外研修が年1回行われています。また、グローバルのP&Oチームが行っている研修が年に数回あり、各国のメンバーが一同に介して一週間ほどトレーニングを受けています。
土橋様 : やはり様々な分野の専門家と協力して、クライアントの課題を解決していけるのが大きなやりがいです。佐々木が申し上げた通り、今はP&Oチームが単独でやる案件はほとんどありません。必ず別の分野の専門家とディスカッションしながらプロジェクトを進めるので、私も他の分野の知見を得られる。マネジメント・コンサルタントとしての総合力を伸ばせるところも大きな魅力だと感じています。
佐々木様 : 若手の頃から顧客企業の経営層と直接関わる機会があるのも、この仕事の醍醐味ですね。特に我々P&Oチームのようなマネジメント・コンサルタントは、会長や社長などの経営トップを相手に発言したり、相手が自社の経営課題について語るのを聞く機会も多い。しかも、そうした方たちから自分への評価をダイレクトにもらえます。私も若手時代は、自分で考えた提案を経営者から褒めて頂くと非常に嬉しかったし、良い関係を築けた経営者とは今でもおつきあいが続いています。コンサルタントの仕事は正解があるわけではありませんから、自分の力量や発想次第で大きな成果を出せるのが面白さです。
土橋様 : 私も新人時代、仕事の合間にお客様とコーヒーを飲んでいる時に、経営者から「土橋君、うちの会社の人事の課題って何だと思う?」と聞かれたことがあります。入社して間もない若手が経営者に意見を求められる機会は、事業会社ではなかなかないのではないでしょうか。
佐々木様 : 新卒の若手でもそうですから、他社で経験を積んできた中途採用者なら、お客様に貢献できる機会はもっと多いはず。特にお客様は「他社はどうやっているのか」を知りたがります。そんな時、「実は私、前職は事業会社にいたのですが、その会社ではこんな取り組みをしていました」という話ができれば、非常に喜ばれる。これは新卒でコンサルタントになった人にはない大きな強みです。
佐々木様 : 成果主義なので、高い成果を出せばちょっとびっくりするほどのボーナスがもらえることもあります。頑張れば頑張った分だけ返ってくる仕組みがあるのは確かですね。
土橋様 : ただ、同僚たちと話していても、「クライアントの問題解決に貢献したい」「仕事を通じて成長したい」といったことをドライバーとしている人がほとんどで、報酬がモチベーションの源泉になっている人はそれほど多くないと感じます。もちろん仕事を評価されて、高い報酬が得られるのは嬉しいことですが、それはあくまで結果として着いてくるもので、追いかけるものではないというのが個人的な意見です。
土橋様 : 外部からは、「コンサルタントは徹夜続きで過酷な仕事だ」というイメージで見られているようですが、そんなことはありません。
もちろん、プロジェクトの進行によって忙しい時期はありますが、最初にも出たように、コンサルタントの仕事は自分で自由にタスクを組み立てて、仕事の進め方をコントロールできる。ですから、上司とも相談しながらきちんと仕事を管理できれば、深夜残業や徹夜が続くようなことはありません。
さらに弊社は、フリーアドレス、コアタイムなしで、在宅勤務も可能。働く場所も時間も自由なので、ワークスタイルの柔軟性は他社よりかなり高いと思います。リモートワークのためのインフラも整備されているので、チームのミーティングも、出先や自宅などバラバラの場所から音声やビデオチャットで行うことが多いですね。
佐々木様 : なかでもP&Oチームは他部門に比べて女性が多く、ワーキングマザーもいますし、現在育休を取っている男性コンサルタントもいます。チームのミーティングも、他社なら夕方から始まることも珍しくないと思いますが、我々のチームはできるだけ9時5時の間でセッティングします。PwC全体でも、連休前には社長から「皆さん、早く帰って連休を楽しみましょう」というメールが来るくらいですから、皆さんが想像する「コンサルタントはハードワーク」というイメージは、すでに古いものになっていると考えて頂いていいと思います。特にP&Oチームは、クライアントに「働き方改革」を提案する立場ですから、自分たち自身がそのモデルケースになろうという意識がとても強い。私たちがワークライフバランスを実践して見せることで、昔ながらの長時間労働を続けているクライアントの意識も変えていきたいと考えています。
佐々木様 : PwCでは、多様性をお互いに融合しながら誰もが活躍できる場を作っていく「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)」を推進しています。お互いに受け入れ合い、個性や強みを生かせば、別の次元のアイデアを生み出すこともできる。
同じ属性の人しかいなかったら気づかないことも、多様な価値観や背景を持つ人がいれば、「そういう見方もあるね!」という思いがけないアイデアが出てきます。
今の時代は、そうやって付加価値を生み出していかなければ、お客様に貢献できません。ですから、弊社ではすでに男女のジェンダーだけでなく、国籍や世代も多様なメンバーが集まっています。
土橋様 : 私が入社してから一緒に仕事をしたマネジャーの半分は女性ですし、それをごく普通のことだと考えてきました。その人の属性に関わらず、誰でも一人のコンサルタントとして同じように接する。それがPwCでは当たり前になっています。
佐々木様 : 我々が事業会社出身者を積極的に採用するのも、多様な価値観を持つ人を集めたいからです。今はインダストリーやソリューションの垣根もどんどん低くなっていて、例えば人事・組織の領域でも、人事IT化戦略や人事システムの構築など、テクノロジーと融合したソリューションをお客様から求められる場面が増えています。
ですから、「今までIT関連企業に勤めていたが、人に関わる領域の仕事がしたい」といった方も歓迎します。ITだけでなく、今後はコンサルティングにおいて思いもかけない専門性を必要とされる場面が増えると予想されますから、私たちもぜひ多様なバックグラウンドを持つ人と一緒に働いてみたいと思っています。