キャリアチェンジにまつわる年収について

キャリアチェンジにまつわる年収について

赤嶺貴子
2020 / 7 / 08

転職活動をされるにあたり、ご自身の「やりたい仕事」や「業務内容」が転職を考えるきっかけや、その後の転職理由に大きな影響を及ぼすことはもちろんありますが、それだけで転職先を決定する方は、あまり多くはなく、かなり稀といえます。

そりゃそうだ、というお声が聞こえてくるような気がしますが、、、
ミドルのご年齢の転職者であれば、ご家庭をお持ちの方も多いため、ご家族の同意を得られるか・ご家族に納得してもらえるかという点で「転職先の年収や・福利厚生面」などの条件面が、若手の転職者に比べてなおのこと重要だと考える傾向を感じます。

今回は業界と年収の観点で、転職先をどのように捉えるか、というお話ができればと思います。

●直近の事例

最近は金融業界の営業の方や、製薬業界の営業(MR)の方と面談する機会が多くあり、これらの業界の候補者様は転職活動において特に、ご年収や条件面でのバランスにお悩みになる方が多いように感じます。

金融業界・製薬業界は共に、新卒の就職活動でも人気な業界であり採用倍率も高く、ご入社され活躍されている方の学歴やお人柄に関してみても、かなり選抜されてのご入社だったことが伺えます。
給与水準も他業界と比較して高い傾向があり、ミドルのご年齢の転職者であれば、年収も1000万円を超えている方も少なくありません。また、福利厚生面も比較的手厚く、家賃手当や家族手当などが非常に充実しているのが特長です。

一見、羨ましいくらい恵まれている環境に感じるのですが、業務に従事するにあたっては「業界の先行きに不安を感じる」と思われることもあるようで(長くなってしまうので個別の業界動向については今回割愛します)、転職理由に挙げられる方も少なくありません。

●納得のいく転職を目指して

こちらも金融営業のご経験を活かして・・・、MRのご経験を活かして・・・ご活躍できそうな企業や求人をご紹介するものの、もともと給与水準の高い金融業界・製薬業界からのご転職は、転職先企業の方が、年収ダウンや福利厚生面が乏しくなってしまう可能性が高く、躊躇される方も少なくないのが現状です。

業界の行く先が不安・・・という理由で転職活動を始めたものの、生活基盤が成り立っている以上、そこから抜け出すことができない方が多いのも事実です。

●タイミングによる年収の開き

金融業界からも、製薬業界からも、業界を変えるご転職については年収が下がってしまう可能性のある転職ではありますが、ご年齢によってその差のひらきが大きくことも、傾向と言えます。

・Case1/ 30歳
現職先:大手証券会社の営業職 <年収/780万円>
内定先:SIの営業職 <年収(提示金額)/650万円>

・Case2/ 35歳
現職先:大手都市銀行の営業職<年収/1100万円>
内定先:大手SIの営業職<年収(提示金額)/890万円>

転職先にもよりますが、上記は年齢が高くなるにつれ、ご年収差が大きくなる一例です。
特に営業職は比較的業界を変えても汎用性が利きやすいイメージを持っている方も少なくありませんが、30代後半に近づくにつれ、業界を変えることの難易度が上がりますので、この辺りは見極めも必要です。

●優先順位をつけて総合的な判断を

上記のことから、職種のキャリアチェンジはもちろん、同じ職種であっても業界を変える転職となる場合については、年収差のギャップを考えた場合、年齢が若いうちに行うほうが無難(早い方がいい)、とも言えますが、一方で、将来的に多少の年収ダウンを見込んだとしても、早いうちに高年収が見込める業界に身を置くほうが安心という考え方もあります。

年収が下がるようであれば、同業界へ転職する(業界不安以外の転職理由を解消できる転職にする)という選択もありますので、転職の中でご自身が大事にしていること、変えたいことの優先順位をつけて総合的に判断をされることをお勧めいたします。