SIerやITコンサルティングファームから事業会社の社内SEに転職するときに気を付けたいこと

SIerやITコンサルティングファームから事業会社の社内SEに転職するときに気を付けたいこと

松葉彩夏
2021 / 2 / 10

エンジニアの方とご面談していると、SIerやITコンサルティングファームに在籍されている方から事業会社のシステム部門へ転職されたいというご希望を頂くことは少なくありません。それぞれ事業会社に転職したい理由は異なりますが、『手触り感が欲しい/企画から運用まで一気通貫して携わりたい』『残業時間を減らしたい/長期就業したい』『裁量を持ちたい/決裁権を持ちたい』といった理由の方が多い印象を受けます。今回は今までクライアントワークに携わっていた方が、事業会社に転職するときに気をつけたほうが良いポイントについて記事にしたいと思います。

①裁量が欲しい/決裁権が欲しい

事業会社を希望する理由として「裁量が欲しいので事業会社への転職をしたい」という理由だけで事業会社を希望することは注意すべきポイントの一つです。とある大手グループ会社で社内システム部門の募集をしていたときに、ある候補者様の面接に際し、『弊社も子会社であることから親会社の方針に従うこともあるため裁量は持ちづらい(=裁量権を強く求める人はミスマッチ)』という理由からお見送りになったケースがみられました。会社の立ち位置や、社内の中のシステム部門の立ち位置によっては、社内システム部門に裁量や決裁権がないこともあります。そのため、もし裁量や決裁権を持ちたいから事業会社を希望する場合は、予算策定まで社内システム部門でやっているのか、親会社との関係性や、CIOをはじめとしたIT活用に責任/コミットを持つ役職様の存在などを事前に調べることをおすすめします。

②企画に携わりたい

最上流工程である企画の部分から携わりたいという理由で事業会社を希望される方がいらっしゃる一方で、事業会社のIT部門ご出身者様の中には「運用フェーズが多く企画に携わることができない」という理由で転職を考えている方というのも事実です。当初の転職理由として「企画から携われる」という理由で事業会社のIT部門へ転職されたものの、数年経過したタイミングで「(運用フェーズに入ってしまい)企画に関われない」との理由から、再び転職活動に至られるようなケースもございます。事業会社のシステム部門の場合は、常に新規システム企画をしているわけではなく、新規システム導入が完了して以降は運用フェーズとなります。そのため、基本的には新規導入が完了したら運用改善を担うことになります。システム投資は会社の業績に左右されますし、常に新規システム導入が必要なわけではないので、ご自身の性質が飽き性気味で、新しい取り組みや新しい技術に常に関わっていたいというタイプの方は、安易に事業会社にご転職してしまうと、物足りなさを感じてしまうリスクがあるので注意が必要です。むしろクライアントワークのほうが、新しい提案を顧客にできるチャンスは多いという考え方もあります。事業会社で新規システム導入が完了したらまた転職すれば良いという考えもありますが、転職を繰り返していることは企業から懸念に思われやすく、特に「新しいことに取り組むことそのもの」を目的とされるような志向性は、あまり事業会社から好まれないこともあります。そのため、もし事業会社に転職するときは、自身はどういった性質・性格なのかという自己分析を元に、「どのような課題・体制・方向性を有する事業会社がマッチするのか」を見出していただくことでミスマッチを防ぐことが出来ます。また、「新しいことに取り組むことこそがやりがいである」というタイプの方は、複数の事業・業務部門を抱える中で、部門毎で様々な業務改革を進めているような環境や、今後数年のIT投資について明確な方針を会社として掲げているような環境であれば継続的に新しいチャレンジがしやすいと言えます。こうした観点での企業研究を行っていただいたうえで、事業会社へ転職されることをおすすめします。

今回はよくあるクライアントワークから事業会社のシステム部門への転職したい理由の中で気を付けたほうが良いポイントについて書きました。今後お客様とお話しする中で、新しい気づきがありましたら記事にしていきたいと思います。