記事掲載日: 2017/08/24 取材日: 2017/07/25

グローバルやサービスライン同士の融合でさらなる飛躍を目指す
『EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング』の成長戦略

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(サイバーセキュリティ領域)へのインタビュー

#1 再編成によるEYACCの事業戦略とは?

本杉 : いつもお世話になっております。御社は今年1月に、EY(アーンスト・アンド・ヤング)の新たなメンバーファームとして発足されました。どのような組織なのか、改めてご説明頂けますか。

宮地氏 : これまで日本におけるEYのアドバイザリー業務は、新日本有限責任監査法人、EYアドバイザリー、EYフィナンシャル・サービス・アドバイザリーの3つの組織がそれぞれサービスを提供していました。それらを一つに統合し、アドバイザリーおよびコンサルティングのプロフェッショナル集団として発足したのが「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(EYACC)」です。

組織を率いる代表取締役会長には、アンディー・エムブリーが就任しました。エムブリー会長はアドバイザリーサービスラインのEMEIA地域(ヨーロッパ、中東、インド、アフリカ)のリーダーを務めた後、2016年7月から東京でEY Japanのアドバイザリービジネスを指揮している人物です。現在は彼のリーダーシップのもと、大きな変革を推し進めています。

本杉 : 具体的には、どのような戦略を実行されているのでしょうか。

宮地氏 : 我々が取り組んでいるのは、グローバルおよび各サービスラインの連携強化です。EYでは、今年2月に「Advisory Connected」というグローバル戦略を策定しました。これはその名の通り、EYが持つ様々なサービスやリソースをつなげることで、新たな価値の創造を目指すものです。アドバイザリーの中の融合はもちろん、EYが世界各国で展開している「監査」「税務」「トランザクション」「アドバイザリー」の4つのサービスライン間の連携をより一層強化することで、今までになかったサービスをお客様に提供できると考えています。

#2 「Advisory Connected(融合)」をコンセプトに最適なサービス提供―EYACC流コンサルティングとは

本杉 : 例えば、どのような連携が考えられますか。

宮地氏 : 例を挙げると、アドバイザリーが持つSCMのソリューションと税務のサービスを組み合わせることで、在庫やリードタイムの削減といった従来のSCMの目的に加えて、移転価格税制面からも最適化されたサプライチェーンを実現できます。

最近、とあるクライアントで会計システムの刷新と並行して日本の会計基準から国際会計基準へ移行するプロジェクトがあったのですが、非常に特殊な業務に関する会計処理方法について検討するために、監査法人から経験豊富な方にメンバーとして加わってもらいました。このように、サービスラインがつながり融合することで、お客様に新たな付加価値を提供できるのです。

本杉 : クライアントのニーズに、より高度なレベルで応えることが可能になるわけですね。グローバルとの連携については、いかがですか。

宮地氏 : 私は複数のBig4系コンサルティング会社に勤務した経験がありますが、EYのグローバル連携の強さは飛び抜けていると感じます。

他のBig4では、グローバルのリーダークラスに直接会う機会は滅多にありませんでした。EYでは、この半年だけでグローバルエグゼクティブが3回来日し、その度に私たちと直接ディスカッションや意見交換をしています。また、それに加えて様々なサービスのリーダーも来日しています。テクノロジー部門のグローバルリーダーは1週間ほど日本に滞在し、20回に及ぶ内部のディスカッションを行い、クライアントを訪問し、同時に海外の人脈を紹介してくれました。おかげで私自身も、IBMのCOOと会談するなどの貴重な機会が得られています。

これだけ頻繁にグローバルのエグゼクティブやリーダーが日本へ足を運ぶというのは、他のファームでは考えられないことです。また、定例電話会議も多くあり、ディスカッションや情報交換などを継続的に行っています。

#3 グローバルで活躍できる環境!

本杉 : 「グローバルファーム」を名乗る組織はいくつもありますが、それを本当の意味で体現しているところは少ないということでしょうか。

宮地氏 : 残念ながら、そうですね。それに対し、EYのエグゼクティブやリーダーたちは日本だけでなく世界各地を飛び回り、各国のメンバーをつなぐ役割を果たしてくれます。グローバル案件では誰に聞いたらよいか分からず時間だけが過ぎるということはよくあるのですが、EYの場合はリーダーに問い合わせれば、非常にレスポンスよく適切な人を紹介してくれますし、逆に海外のメンバーにも、「この案件なら、ぜひ日本の宮地に連絡をとるといい」と積極的に紹介してくれます。

実際に、海外チームと連携したプロジェクトは増えていて、今月だけでもUSチーム、インドチーム、イタリアチームと組んだ3つの案件が動いています。私も最近は、一日の半分以上は英語を話している気がしますね(笑)。それくらいグローバルの垣根が低いということです。

本杉 : 組織内にある様々な垣根が完全にシームレスになることで、お客様にはより良いサービスを提供できると思うのですが、御社内でそれを実践する難しさはないのでしょうか。例えば「他のチームへ人材を貸し出したら、自分のチームの売上が下がってしまう」といった理由から、組織間の人材交流が進まない会社はよくあると思うのですが。

宮地氏 : EYでは「チームの売上=チームメンバーが稼働した成果の合計」となっています。つまり、自分のチームのメンバーが他のチームのプロジェクトに参画したら、その分の売上は自分のチームに加算される仕組みです。これは国内だけではなく他国の案件でも同様です。ですからチームリーダーとしても、人を出すのを嫌がるどころか、むしろ「手が空いているメンバーがいれば、どんどん他で使ってください」という考え方になります。あるいは他のチームやサービスライン、海外オフィスに対しても、遠慮なく「誰かサポートに来てほしい」と依頼できます。組織間で人が動いても、もとの所属に売上がついてくる仕組みと評価の指標を持っている点は、他社と大きく違っています。

本杉 : なるほど、組織の融合が進む環境が整っているのですね。御社が今後どのような進化を遂げていくのか楽しみです。

宮地氏 : 2018年2月には東京・日比谷の新しいオフィスに移転し、4つのサービスラインが一つのワーキングプレイスに統合される予定です。

これを機に、EY@Workという新しい働き方を推進するために、4サービスライン共同で推進チームを作りました。完全フリーアドレスを取り入れ、また、子育て中の女性も含めて多様な働き方が求められる中、オフィス外でも仕事ができるテレワークなども推進したいと考えています。

また、全てのサービスラインのメンバーが混じり合って同じフロアで一緒に働くということは非常に新しい取り組みです。さまざまな専門性の人が混じり合うことで、新たな知恵や発想もさらに生まれやすくなるでしょう。

本杉 : 宮地様はパートナーとして、テクノロジーチームの責任者を務めていらっしゃいます。この領域については、今後どのような展開を考えていますか。

宮地氏 : EYでは2020年までにグローバル全体の売上を2倍にする目標を掲げていますが、テクノロジーがその大きな原動力になることはグローバルの共通認識です。

ここでもやはり「融合」がキーワードになります。

デジタルを扱う部門を別組織にするファームは多いのですが、EYはデジタルチームをあえて内部に持ち、あらゆるサービスと融合させていく方針です。ですから、監査業務にロボティクスを取り入れたり、コンプライアンスや税務の仕事にブロックチェーンを活用したりといったことも進んでいます。従来のサービスとテクノロジーをセットで販売するというより、「すべてのサービスの裏側にデジタルがある」というのが私たちの目指すイメージです。デジタルがサービスの中に入り込むことでサービスの質そのものも向上していく。つまり、「デジタルが全てのサービスを変革するドライバーになる」という考え方です。

例えば、Financeチームと連携することで、「Agile Finance」や「Digital CFO」という概念を提唱し、Digital技術やAI/Cognitiveが業務を変革していく中での新しい財務・経理業務のあり方を提案しています。

#4 最新の取り組み!「SUITE+JEANS」による問題解決

本杉 : 御社の中で様々な融合が進んでいますが、「テクノロジーとの融合」も重要なテーマになるということですね。

宮地氏 : テクノロジーチームは、グローバル共通で「SUITE+JEANS」というコンセプトを打ち出しています。

「SUITE」は企業変革やコンプライアンス、リスク管理やコスト削減といった従来の伝統的なサービスを示し、「JEANS」はデジタルやブロックチェーン、フィンテックといった新しいサービスを象徴しています。今までにない価値をお客様に提供するには、この2つの融合が不可欠だということです。

本杉 : 面白いコンセプトですね。具体的には、2つの融合をどうやって促進させていくのでしょうか。

宮地氏 : 融合によって生まれたさまざまな新しいサービスを打ち出しているのはもちろんですが、融合を具体的に体現する場として、世界各国で「wavespace」という施設を設置しています。これはセッションやミーティングのための空間と開発者のための場が融合したものです。

例えばアドバイザリーのメンバー(=「SUITE」)が議論の中で「お客様の課題に対して、デジタルを活用してこんなソリューションが考えられるのでは?」といったアイデアを出した時に、横にいる開発者(=「JEANS」)がその場でモックアップを構築して見せることができる。机上で考えるだけでなく、テクノロジーを使った具体的な姿を同時並行で検証できるわけです。世界中に順次展開されていますが、日本でも新オフィスへの移転に合わせて来年2月にオープン予定です。これにより、テクノロジーと他のサービスとの融合が加速すると考えています。

本杉 : お話を伺っていて、EYグローバル全体で大きな革新と飛躍の時を迎えているのだなと実感しました。御社の成長の担い手として新たな人材を求めるとしたら、どんな資質や能力を期待しますか。

宮地氏 : 専門性を持っていることはもちろんですが、それに加えて変化を受容できる柔軟性は必要ですね。

先ほどの「SUITE+JEANS」のように、自分とはタイプの違う人たちと連携するのは困難もありますが、それを乗り越えて、お客様のために新たなサービスを作っていきたいという意欲のある方を歓迎します。グローバルやサービスラインの垣根がこれだけ低い環境なら、例えば今までテクノロジーの領域で経験やスキルを積んできた方でも、まったく新しいチャレンジができるし、海外と密に連携する中で本当のグローバル人材に成長していくこともできるでしょう。

ぜひ私たちと一緒に、新しいEYを作っていってもらえればと思います。

本杉 : 御社がまさに変革の真っ只中にいる躍動感を実感できるお話でした。本日はありがとうございました。

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(サイバーセキュリティ領域)へのインタビュー写真

取材協力: EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社

事業内容: EYは主に監査、アドバイザリー、税務、トランザクションの4つのラインによって構成されており、その中でもEYアドバイザリー社は、EYによって開発された手法及びツールを使い世界で統一された品質サービス基準を元に「アドバイザリー領域」のコンサルティングサービスを提供。
資本金: 4億5千万円
設立: 2017年 01月
従業員数: 約1,300名(グループ連結:230,800名)

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